インタビュー記事:VOL1.『自分を人生の中心に戻し、楽しむこと』箕輪 玖美さん【後半篇】

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雑誌のモデル・はちみつマイスター・キャンドルアーティストとして幅広く活躍する華やかな世界の一方で、社長秘書を務めながら、在家僧侶の得度もいただくというコツコツとした内面の努力も積み重ねてきた箕輪さん。初めてのステップファミリーでは、姑との関係性に悩み、出来上がった家族に入る喪失感が突き付けられ、長い間、体を崩します。箕輪さんのその後は…

 

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「石の上にも三年」の気持ちで続けてみました

 

箕輪さん:モデルをしていたときもそうでしたが、今までの人生もずっと、目標を設定したら辛くても我慢強く努力していれば、いつかは成功できるって信じていました。そういえば何でもこれまで私の人生そうだったじゃないって気づいたんです。3年やってダメだったら、それは自分の力量が足りなかったと。それに、ダメだったからと言って、結婚は私の人生のすべてではありません。

よく話を聞いてくれた母が言っていたのは「いやだったらいつでも帰ってくればいいじゃなあい」でした。(笑)だから本当にいつでも、戻ればいいやって思っていました。

そういえば、子どものいる夫との結婚を決めた時も、母の言葉は一言、「あなたなら、できるんじゃない?」でした。

 

■箕輪さんがどうしようもなく辛かったときいつも支えになったのは、お母様なのですね。辛いときに「どうして、どうして」や同調するのでもなく、箕輪さんが自分で自分に答えを出せるように、シンプルに見守り、導かれたのですね。

 

箕輪さん:はい。母にはかなわないですね(笑)。家庭問題に関しての第三者や相談機関は、単発では利用したことはありましたが、何でも頼らず、まずは自分で解決するために、工夫してみよう、私からみて足りないものは変えていこうって決めていました。そして、変えていくときは、自分だけでも自分を、まずは認めました。

 

■それはすごいことだと思います。どんなピンチであっても、第三者機関を利用せず、自分の内面を静かに整えられたんですね。私はすぐ相談しちゃいましたよ(笑)どこか男性的に、俯瞰して捉えていて精神的に大変自立されてますよね。

箕輪さん:はい。割とストイックな性格なのかもしれません。(笑)それで、本当に3年間は、ベストを尽くし、コミュニケーションや適度な距離感、試してみたら、ちょっとずついろんなことに慣れて、家族との溝も減って、徐々にですが些細なことは気にならなくなってきたんです。

例えば長男くんは「玖美ちゃん、玖美ちゃん」っていつも慕ってくれて、食事も一早くキッチンに来て手伝ってくれたり、優しいんですよね。

次男くんは小学生の頃から一緒で、人見知りや反抗期もありましたが、お受験や学校行事に行ったり、成長の節目に9年寄り添って、本当の親子位の関係性ができたと思っています。

じゃあ、次の3年をのせてみようって。何でもそうやって積み重ねてきたな、私。って。そう、“自分に戻った感じ”があるんです。

 

■自分に戻る・・・。すごい。鳥肌立ちました。自分の心の在り方をしなやかに成長に変え、この家族のスタイルを作るのは自分次第なんだという、芯のある覚悟が育ってきた感じですね。美しいです!

 

箕輪さん:結果、それまでは、毎日泣きながら電話をしていた母へも、泣いて電話をすることはなくなりました。(笑)あとは、もともとアクティブなので、友人と食事をしたり、夫婦で旅行やゴルフへ行くなど、気分転換する時間を、主人も増やしてくれる様になりました。

 

私の職業は「主人喜ばせ隊」(笑)

 

■時間をかけて、焦らずに、石の上にもコツコツと信頼を積んでいった結果なんですね。夫婦の時間を作ってくれたことで、ご主人との関係性もよくなっていったのですか?

 

箕輪さん:はい。頭がよく、仕事もでき、成長のスピードが速い方です。とても尊敬しています。私の職業は何かと聞かれたら、主人を喜ばせることだと思っています(笑)子どもの食事、片付け、家事全般。主人が望むことをひたすら与えます。

それでも主人とは、家庭のことで衝突することはたくさんありましたよ。でも、進めていく上で、これは譲れないと思っても「まずは一旦は主張を聞いてあげよう」って飲み込めるものは、飲み込みます。飲み込めないものは、一旦は我慢しますね。どうしても我慢できない事は、感情を穏やかに伝える。育った環境が違うから、仕方ないと思います。主人のその考えは、「そのように育てられたのだから、彼のせいじゃないよね」って思えるようになってからは、喧嘩も減りました。

 

■ステップファミリーによくある、反発したり過剰に反応するのでもなく、静かに俯瞰して受け止め、感情を穏やかにしてから『自分のどこがいけなかったのだろう?』と、必要以上に自分責めをするわけでもなく。すべて他責でなく、自責とシフトチェンジされるしなやかさ。ご主人は、最初、助けなかったのではなくて、箕輪さんのことを信じ切っていたんですね。きちんと見抜いていたんですね。お母様と一緒ですね。

 

箕輪さん:お姑さんや主人の考え方で、「そうか、あなたはそう思うんだね」と、理解できるところは受け止めます。ただ、(私の母に育てられたら、こういう考えはしないな)て思ったときに、否定するのではなく、子供達に足りない部分は、自分が補ってあげればいいかなって。100点満点な人なんていませんしね。それに、本当にいやだったらいつでもやめればよいと、どこか腹をくくっていましたから。

 

■否定せずに、受け止める。その母性の強さは箕輪さんのお母様の代から脈々と受け継がれてきたものですね。お母様の存在が箕輪さんの中での指針ですね。常に自分を信じられたのはお母様の偉大な無償の愛ではないでしょうか。まさに、育てたように子は育つ、ですね。

 

ステップファミリーは人生勉強。すべてが学びを教えてくれる

 

■ステップファミリーになって、より、よかったことは何でしょうか?

 

箕輪さん:「人生勉強」ですね。あのまま独身で一人で生きている人生もあったかもしれないけれど、それだったらまずあり得ない、得難い、修行をさせていただいている。

現在9年目で子どもたちも長女は社会人。長男は大学卒業で先日主人と3人で卒業旅行をしてきました。次男も今年成人式です。

深いところの経験値がUPしている感じです。それって人間力に直結するのだなって思います。経験値が増すと、次の3年で何か起きても『たいしたことないや』って思えると思うんです。

 また、誰かの人生を生きるのではなく、「自分の人生は自分が主役なので、そこに戻ろう」って思ったんです。誰と結婚して、どんな家族形態になろうが、私の人生は私を中心に置いて楽しみながらバランスよく回していけばいいのかなって。

自分で、勝手にハードルを上げないで、等身大でいいじゃないって。

この前、結婚9年目のホワイトデーで、初めて子供たちからお返しをいただきました。すごく嬉しかったです。主人が言ってくれたのかな?こういうさり気ない気遣いや優しさが何より嬉しいです。今は愛するパートナーの子供たちもひっくるめて私の大切な家族です。

 

■悩みがあったら、まずはその原因を静かに分析し、自分自身を改善することで、変わりながらも、自分が人生の中心でいられる人生を手にいれている。女神のような柔らかい表情に胸が熱くなりました。流した涙も胸の痛みも、すべて今の箕輪さんの美しい佇まいや生き方に昇華されていらっしゃいますよね。

最後に箕輪さんの将来のビジョンと、大切な心がけを教えてください。

 

箕輪さん:ずっと好きで続けているはちみつやキャンドルのサロンを開きたいです。お仕事で主婦業の合間に楽しくて夢中になれる癒しの時間を提供出来るようなサロンが理想です。子育てが終わったら語学留学で海外にもゆっくり行きたいですね。

心掛けていることは、「丁寧に生きる」ということでしょうか。何事も丁寧にする。時間にしたら、たったの2~3秒なんですよね。でもそれで割と全部が整うんです。例えば子どもたちや夫においしいご飯を作りながら、盛り付けもちょっとひと手間加えたりする、そんな日常にも丁寧さを心がけていきたいと思います。

 

■箕輪さんの凛とした美しさをみれば誰しもがもって生まれたものと思うのかもしれません。しかし実際は、内面からくるゆとりや丁寧な積み重ねからくる賜物なんですね。幼少期からの母親からの思想や教えを、まっすぐに心に刻み、受け止め、柔軟に生きていらっしゃる。愛するご主人の事業の繁栄を支えながら大切な子供たちを、深い深い目線で長い時間をかけて包み込んできた様子が、伺い知れました。

 

箕輪玖美さん、本当にありがとうございました。

彼女の生き方が、誰かのPolaris(不動の星)になりますように。

 

 

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取材・撮影・校正/嘉川 ひろみ